トンネルの男性

私のうつ病は、あの瞬間に治ることが決まった! うつ病体験談 P4

これは、管理人「こころ」のうつ病体験談パート4です。

一生治らないとも感じていたうつ病が、あるきっかけで、治っていく経過です。今、闘病中の方は、ぜひとも希望を持って頂きたいです。実際にうつ病がきれいにすっきりと治った人がいます。

自分に合った薬との出会い

ルボックスを最高量まで増やし、ある程度様子を見た結果、抑うつ感や悲壮感はなくなりましたが、治ったという感覚とは違いました。

それは、いわゆる過鎮静(かちんせい)の状態でした。

 

過鎮静って?
こころ
マイナスな感情がないかわりに、プラスの感情も感じることができなくて、感情がフラットで、何も感じない感覚のことだね。
人間ってさ、いろんな感情になるし、いろんなこと感じるじゃん?
それがなくなっちゃった感じ。
このように過鎮静は、薬が効きすぎて、脳の働きを押さえつけすぎているような状態のことをいうんだ。

救世主「ノリトレン」現る。

これまでに抗うつ剤は、①トレドミン(SNRI)、②リフレックス(NaSSA)、③アンプリット(三環系)、④ルボックス(SSRI)と、4種類の抗うつ剤を試しましたが、どれも自分には合いませんでした。
初めに吐き気の症状が出てから、すでに5か月が経過していました。
その抗うつ剤が自分に合っているか判断するには、基本的に、最大量になってから1ヶ月程度、経過を見る必要があるため、1つの薬を試すのに、どうしてもある程度の時間がかかってしまいます。
いろいろな種類の抗うつ剤を試しても効果がないため、医師からはリチウムなどを追加する増強療法を勧められました。
増強療法?
こころ
抗うつ剤の効果が不十分な時に、炭酸リチウムという薬や、少量の抗精神病薬などを追加することで、抗うつ剤の効果をパワーアップさせる治療法なんだ。
しかし私は、最後に1つだけ試してみたい抗うつ剤があり、それがその後の経過を決めることになる、ノリトレンでした。
三環系という種類の抗うつ剤で、意欲改善に優れるノルアドレナリンを増やす効果が強い。
一般的に三環系抗うつ薬は、効果が強いかわりに、口渇、眠気、便秘などの副作用も強いのだが、ノリトレンは三環系の中では、比較的、副作用が弱い。
1971年に発売されたとても古い薬で、今はもうあまり使われることは少なく、精神科の薬局でも置いていない所もあるぐらいマイナーな薬。
ルボックス150mgでは、過鎮静の状態となっていましたので、ルボックスを100mgに減らし、そこにノリトレンを25mgだけ追加して、その後少しずつ切り替えていくこととなりました。
薬の名前1日量薬の種類
レンドルミン0.25mg睡眠薬
ルボックス100mg抗うつ薬
ノリトレン25mg抗うつ薬
デパス(頓服)0.25mg抗不安薬

2週間後の再診

ルボックス100mgはそのままで、ノリトレンを75mgに増やしました。

薬の名前1日量薬の種類
レンドルミン0.25mg睡眠薬
ルボックス100mg抗うつ薬
ノリトレン75mg抗うつ薬
デパス(頓服)0.25mg抗不安薬

今までの薬にない効果を実感

ノリトレン75mgにしてしばらくした頃、今までの薬では感じられなかった、かなりはっきりとした効果を感じることができました。

だんだんと意欲が回復してきたことがわかり、これは、今までにない感覚でした。

それまで、受診以外は、外出できずに引きこもっていましたが、なんだか外に出てみようという気になり、ベランダでタバコを吸ってみたり、自販機までジュースを買いに行ったりしました。

何でもないことですが、この時の自分には、それは大きな一歩でした。

やっと自分に合った薬が見つかったのでは?と感覚的にそう思いました。

2週間後の再診

ノリトレンは、便秘、口渇(口の中が乾く)、頻脈の副作用はありましたが、中止するほどのものではなく、それよりも自分にとって初めて合っていると感じた薬でした。

便秘のため、下剤などを処方してもらうこともできましたが、あまり薬で強制的に排便を促すことが嫌だったので、毎日ファイブミニを飲むことで便は出ていました。

口渇は、専用のスプレーをしたり、うがいをしたりで対処しました。

頻脈についてはどうにもできないのですが、それほど高い値ではなかったので、そのまま様子を見ました。

処方は、ルボックスを50mgに減らし、ノリトレンは75mgのままで様子を見ます。

薬の名前1日量薬の種類
レンドルミン0.25mg睡眠薬
ルボックス50mg抗うつ薬
ノリトレン75mg抗うつ薬
デパス(頓服)0.25mg抗不安薬

2週間後の再診

ノリトレンは75mgのままで、ルボックスが完全になくなります。

薬の名前1日量薬の種類
レンドルミン0.25mg睡眠薬
ノリトレン75mg抗うつ薬
デパス(頓服)0.25mg抗不安薬

うつ病になる前に戻った感覚

気分は安定し、抑うつ感もなく、楽しいという感覚すらだんだんと戻ってきました。長らく感じていなかった感覚で、それは病気になる前に戻ったような感覚でした。

もうこの頃には、頓服のデパスが必要になるような時は、いっさいありませんでした。

1か月後の再診

ノリトレンの量はそのままで、デパスをなくしました。

また、睡眠も安定していることから、レンドルミンは、約1~2週間ごとに、4分の1ずつ減らしていくことになりました。

睡眠薬は一気に減らしちゃいけないの?
こころ
反跳性不眠(はんちょうせいふみん)といって、それまで長らく飲んでいた眠剤を一気になくすと、服用前よりも強い不眠がおきることがあるんだ。
なので、睡眠薬を止める時は、脳が気づかないぐらいだんだんと少しずつ量を減らしていく必要があるんだ。
寝れるからといって、いっきにやめてはだめなんだね。
こころ
そのとおり。
この薬でこの量だったら、半分に減らすでも良かったけど、念には念をいれて4分の1ずつにしたんだ。
レンドルミンの一番小さい錠剤は、0.25mgだけど、ジェネリックの「ブロチゾラム」では0.125mgがあるから、それに変えるという方法もあるね。
自分は、お薬を簡単にカットできるカッターを使っていたよ。
睡眠薬を少しずつ減らす途中、時に軽い不眠になることがありましたが、そんな時は、薬を減らすペースを焦らずに、一度その前の量に戻しながら減量を続けました。
その結果には、1ヶ月半ぐらいの期間をかけて、レンドルミンを完全になくし、眠剤がなくても寝れるようになりました。

まとめ

以上が、自分に合った薬が見つかり、回復していく経過です。

純粋なうつ病(内因性うつ病等)の場合、仮に治療をしなくても、だいたい2年以内ぐらいには、自然に治るというデータもありますが、もしあの時、ノリトレンと出会わなければ、今でもうつ病が治っていないのでは?と思うことがあります。

次回のうつ病体験談パート5で、最終話になります。仕事に復職し、完全に薬がなくなる経過を書いています。