これは、管理人「こころ」のうつ病体験談パート4です。
一生治らないとも感じていたうつ病が、あるきっかけで、治っていく経過です。今、闘病中の方は、ぜひとも希望を持って頂きたいです。実際にうつ病がきれいにすっきりと治った人がいます。
自分に合った薬との出会い
ルボックスを最高量まで増やし、ある程度様子を見た結果、抑うつ感や悲壮感はなくなりましたが、治ったという感覚とは違いました。
それは、いわゆる過鎮静(かちんせい)の状態でした。
人間ってさ、いろんな感情になるし、いろんなこと感じるじゃん?
それがなくなっちゃった感じ。
このように過鎮静は、薬が効きすぎて、脳の働きを押さえつけすぎているような状態のことをいうんだ。
救世主「ノリトレン」現る。
一般的に三環系抗うつ薬は、効果が強いかわりに、口渇、眠気、便秘などの副作用も強いのだが、ノリトレンは三環系の中では、比較的、副作用が弱い。
1971年に発売されたとても古い薬で、今はもうあまり使われることは少なく、精神科の薬局でも置いていない所もあるぐらいマイナーな薬。
薬の名前 | 1日量 | 薬の種類 |
---|---|---|
レンドルミン | 0.25mg | 睡眠薬 |
ルボックス | 100mg | 抗うつ薬 |
ノリトレン | 25mg | 抗うつ薬 |
デパス(頓服) | 0.25mg | 抗不安薬 |
2週間後の再診
ルボックス100mgはそのままで、ノリトレンを75mgに増やしました。
薬の名前 | 1日量 | 薬の種類 |
---|---|---|
レンドルミン | 0.25mg | 睡眠薬 |
ルボックス | 100mg | 抗うつ薬 |
ノリトレン | 75mg | 抗うつ薬 |
デパス(頓服) | 0.25mg | 抗不安薬 |
今までの薬にない効果を実感
ノリトレン75mgにしてしばらくした頃、今までの薬では感じられなかった、かなりはっきりとした効果を感じることができました。
だんだんと意欲が回復してきたことがわかり、これは、今までにない感覚でした。
それまで、受診以外は、外出できずに引きこもっていましたが、なんだか外に出てみようという気になり、ベランダでタバコを吸ってみたり、自販機までジュースを買いに行ったりしました。
何でもないことですが、この時の自分には、それは大きな一歩でした。
やっと自分に合った薬が見つかったのでは?と感覚的にそう思いました。
2週間後の再診
ノリトレンは、便秘、口渇(口の中が乾く)、頻脈の副作用はありましたが、中止するほどのものではなく、それよりも自分にとって初めて合っていると感じた薬でした。
便秘のため、下剤などを処方してもらうこともできましたが、あまり薬で強制的に排便を促すことが嫌だったので、毎日ファイブミニを飲むことで便は出ていました。
口渇は、専用のスプレーをしたり、うがいをしたりで対処しました。
頻脈についてはどうにもできないのですが、それほど高い値ではなかったので、そのまま様子を見ました。
処方は、ルボックスを50mgに減らし、ノリトレンは75mgのままで様子を見ます。
薬の名前 | 1日量 | 薬の種類 |
---|---|---|
レンドルミン | 0.25mg | 睡眠薬 |
ルボックス | 50mg | 抗うつ薬 |
ノリトレン | 75mg | 抗うつ薬 |
デパス(頓服) | 0.25mg | 抗不安薬 |
2週間後の再診
ノリトレンは75mgのままで、ルボックスが完全になくなります。
薬の名前 | 1日量 | 薬の種類 |
---|---|---|
レンドルミン | 0.25mg | 睡眠薬 |
ノリトレン | 75mg | 抗うつ薬 |
デパス(頓服) | 0.25mg | 抗不安薬 |
うつ病になる前に戻った感覚
気分は安定し、抑うつ感もなく、楽しいという感覚すらだんだんと戻ってきました。長らく感じていなかった感覚で、それは病気になる前に戻ったような感覚でした。
もうこの頃には、頓服のデパスが必要になるような時は、いっさいありませんでした。
1か月後の再診
ノリトレンの量はそのままで、デパスをなくしました。
また、睡眠も安定していることから、レンドルミンは、約1~2週間ごとに、4分の1ずつ減らしていくことになりました。
なので、睡眠薬を止める時は、脳が気づかないぐらいだんだんと少しずつ量を減らしていく必要があるんだ。
この薬でこの量だったら、半分に減らすでも良かったけど、念には念をいれて4分の1ずつにしたんだ。
レンドルミンの一番小さい錠剤は、0.25mgだけど、ジェネリックの「ブロチゾラム」では0.125mgがあるから、それに変えるという方法もあるね。
自分は、お薬を簡単にカットできるカッターを使っていたよ。
まとめ
以上が、自分に合った薬が見つかり、回復していく経過です。
純粋なうつ病(内因性うつ病等)の場合、仮に治療をしなくても、だいたい2年以内ぐらいには、自然に治るというデータもありますが、もしあの時、ノリトレンと出会わなければ、今でもうつ病が治っていないのでは?と思うことがあります。
次回のうつ病体験談パート5で、最終話になります。仕事に復職し、完全に薬がなくなる経過を書いています。